4/13(月)

エアアジアのWEBページを見て、受託手荷物を追加するか悩む。
預ける手荷物がある場合は、事前に料金を支払っておかないと余計に手数料がかかってしまうから。
ガイドブックや、道具なんかの大体は準備が整ってきた。
あとは、何を食べたいかとか、何処に行きたいかとか考えないと。
何しろもうすぐ出発なのにバンコクで水上マーケットへ行きたい、チェンマイで象に乗りたいという
こと以外の目的が決まっていない。
とはいえ、仏像や宗教建築にはあまり興味が湧いてこないし、ムエタイを観戦したいとも思わない。
でも、タイまで行ってのんびり過ごすだけというのもどうだろうと思うし。

4/16(木)

前の晩に2時過ぎまで友人と電話していて、ちゃんと起きれるか不安だったけれど、アラームが鳴る
前に目が覚めた。外はまだちょっと薄暗い。ベッドから這い出て、コーヒーを淹れてパンを食べる。
余裕の出発かと思いきや、リュックの中身が気になりだして前の晩にパッキングした荷物を引っ張り
だしてはやっぱりこれは要らないか、あれは入れといた方が良いかと繰り返していて、ギリギリの時間
になってしまった。

関空から7時間のフライト。
機内で読んでいた沢木耕太郎の「深夜特急」に登場するタイの街はバンコクだけで、ホンコン程の熱量
がなく、土地勘がついても、どこかとらえどころのない街だと書いてあった。あまりページは割かれ
ていない。自分自身もタイのガイドブックを読んでいて、まだ上手くイメージがつかめていなかった。

クアラルンプール国際空港に到着するとスマートフォンが反応する。ようこそマレーシアへ、
ネットは1日/2980円、通話は1分/175円です。良い旅を。というようなメール。
すぐ出て行くんやけど。
歩きスマホをしていると、トランジット手続きのところで「エクスキューズミー」と声をかけられる。
振り返るとアジア系の同世代くらいの黒髪の女性が立っていて「タイに行くの?私はタイ人です。
ほら。」とパスポートを見せてくる。「え」パッと英語が出てこない。突然の事で面食らっているこ
ちらの返答も待たず、相手は「あなたのチケットを見せて」とこちらに手を伸ばしてきた。
手荷物検査の機械を通すためリュックをおろしながら、恐る恐るチケットを取り出してみせると、
「あー残念、違う便ね、さよなら」とチケットを押し戻して、こちらが荷物をピックアップしている
間にさっさと行ってしまった。
あまりに唐突だったので、思わず自分のポケットを探る。なくなってるものはなかった。

クアラルンプールから更に2時間、飛行機に乗ってタイ ドンムアン空港へ到着。
飛行機を降りて入国審査へ向かって歩くと、エアコンが効いた通路で早くもムッとした暑さを感じる。
四月はタイの季節で言うと暑季で、文字通り雨期が訪れる前の一番暑い季節だ。
もう20時で、日も沈んでるのに気温は30℃を超えていた。
入国審査を通過して日本円を少しだけタイBahtに替える。1Baht=約3.5円
空港からはバス、電車を乗り継いで予約しておいたゲストハウスへ行く予定。
チャオプラヤ川近くの宿テーウェズ。
チェックインしたいとフロントの女性に伝える。「予約はしてますか?」と女性。
「してますよ。KOJI NARADAです。」名前とパスポートの番号をカードに記入する。
もう22時になっていた。
日本時間で言うと24時という事なので、早くチェックインしてシャワーを浴びたかったのだけど、
フロントによると、予約したときの画面かそれを印刷したペーパーを見せないと料金を払い込んだか
わからないので現金で400Bahtもらわないと泊められないという。日本で宿のHPから予約してきたのに
それはないでしょうと抗議しても受け付けてもらえない。
そんな紙はプリントアウトしていないし、画面も見せられない。3月中に予約を済ませていたので、
予約完了メールもサーバーから消えていて、自宅のPCでないと確認出来ない状態だった。
その後は押し問答で、結局払わないなら他の宿を探せと言われてしまって、渋々お金を取り出す。
くやしいけどこんな時間から飛び込みで宿を探すのは嫌だ。
英語のやり取りで言いたい事がスラスラ出てこない僕は顔を真っ赤にしていたに違いない。

その真っ赤な顔で、テーウェズから送られてきたメールにはそんな事書いてなかったぞと、負け惜しみ
のつもりで言うと「メールをこっちから送ってる?」とフロントの人は表情を変えてPCのキーボードを
を叩く。「KOJI NARADA、あ〜奈良田 晃治ね。漢字が読めなかったわ。」

Webで予約したって言ってるんだからメールとか最初に確認するべきでしょ。
いや旅行者の多いタイでは違うのかも知れない。というかごめんの一言がなかったな。
などと釈然としない気持ちのまま階段を上がり、案内された部屋のベッドに倒れ込む。
案内してくれたのはフロントの女性と違うおばさんだったけど、横で見ていて気分が良くなかったのか、
部屋や設備について説明はなかった。
もっとも部屋については、4畳半程の間取りの中心にベッド、頭上にファンが回ってるだけなので普段か
らしないのかも知れない。
天井を見上げながらWifiをつなぐ。
まだ29℃ある。暑い。
冷たいシャワーを浴びて寝る。